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[気仙沼-3] 男山本店
創業大正元年、人と人をつなぐ心の酒
蒼天伝…それは果歩さんの大好きな男山本店さんのお酒です。
震災翌日から仕事を再開、「復興の先駆けに」と操業されている男山本店さんを訪ねました。
100年以上の歴史を誇る男山本店さんのみなさんと記念写真
酒蔵ではライブが行われることもあるそうです。
http://www.kesennuma.co.jp/
震災のとき、遠くのお客様から、「無事ですか?」とお便りが届いたそうです。
菅原さん
「(80過ぎのおじいちゃんが毎晩コップ一杯、ここの酒だけは飲む。
だから震災後もここの酒が残っていてよかった)
……誰かに届いて、つながっていたことがわかって今まで顔が見えなかったけど、顔が見えてくると残していきたいと、強く思いました。
震災の被害のダメージがほとんどだけど、その中で自分の気持ちを後押しするものを知った。それが震災以降の心の変化です」
果歩さん
「誰かと繋がっていると感じることが心を支えるものになるのだと、私も被災地を訪れる度に感じます。私達の仕事は直接食べる物を生産しているわけでもなく、震 災直後は仕事に対して無力感を感じていましたが、被災地で出会う人々に「ドラマに出てね。ニュースだけでなくドラマが見たいから。」と直接背中を押されま した。どんな辛い状況にあっても、人は想像の世界を欲し、必要としているのだと初めて知りました。自分の仕事が人に繋がっているのだと実感しました」
菅原さん
「気をゆるめずにやってきました。少しでもいろんな別のことを考えると気がゆるんでしまう。震災で残ったのは酒蔵や味噌蔵が多く、復興の先駆けとなれればとやってきました。
酒造りという機能を残して行く大切さを感じます。儲けよりも、何よりも、この機能をずっと残して、ずっと続けていきたいです」
《男山》という名前は京都の石清水八幡宮の総長、松尾大社の松尾さんからいただいたものだそうです。
宮城米、地元の湧水でできるこのお酒は、地元のカツオ、サバ、秋刀魚にぴったり。
気仙沼のお水は日本の中でも特にやわらかいので発酵力は弱いけれど、その分とてもソフトな味わいに。
杜氏は蔵に一人だけ。まるで指揮者。
気候、水、米、麹、すべての判断をするタイミングを見ながらタクトを振るのです。
基本5人で作っていて、5つの係ごとの仕事を。
お米を洗ったり浸したりする係、麹をつくる係、酵母係、もろみ管理係 そして杜氏
シーズンはずっと一緒に作業、休憩中も一緒なほど、みんな仲良しなんだそうです。だからこんなに優しくて爽やかな味わいなのですね。
今年は10月から7ヶ月かけてつくるそうです。
樽1本5000L、一升瓶で約3000本になります。
この樽1本は1年に1回しか出来ない樽1本なのだそうです。