気仙沼の海の幸が運ばれて来て撮影会

果歩「素晴らしい(お刺身を見て)お盆とお正月いっぺんに来た（笑）カツオいくです（カツオに箸をのばす果歩さん）」
みなさん「どうぞどうぞ（笑）」
果歩「食べよう食べよう……美味しすぎてどうしていいのかわからない！」
敬子さん「はじめて、ここ来たの」
果歩「敬子さん今まで来た事なかったの？」
敬子さん「犬を飼ってるから犬をひとりにできなくて…でも私ひとりでも晩酌するので」
果歩「え、ほんと？」
敬子さん「だってそれを楽しみに♪」
果歩「竜司さん（幸子さんの旦那さん）美味しいカツオがわかるんだね。働いてるとこ見てみたい」
敬子さん「美味しいカツオって何でわかるんでしょうね？」
幸子さん「普段と働いてるところ、どっちがホントの姿がわからないんですけど」
果歩「でもそこがいいんでしょ？働いてるところに惹かれたの？」
敬子さん「でもやんちゃだったよね」
幸子さん「でも、やんちゃがわかんなかったんだよね。会う人会う人がみんな挨拶するんで、この人は何だろうって」
敬子さん「有名人だったんだよね」
果歩「いまあんなに穏やかに」
幸子さん「謙さんと果歩さんのおかげです。でももともと基本は優しい人」
敬子さん「で、繊細ね、人にすごく気を遣う人」
幸子さん「よくご存知で」
果歩「ホントだね」
敬子さん「あのムキムキの風貌も私から見ると年下なので可愛いなと思ってしまう。弟が高校に入ったとき、幸子さんのご主人が、何かあったら俺たちに言えって」
果歩「心強い」
幸子さん「そうですね。すごく仲間を守る」
果歩「でもさ、幸子さんの前だと、小僧のようになってるよね」
幸子さん「果歩さんに褒められるとすっごい嬉しそうにしてます。普段私、褒めないから」
敬子さん「だって気仙沼の男の人たちは褒めないものね」
果歩「That’s昭和。お母さんの従順な姿が残ってるから」
幸子さん「自分を出せないですよね」
果歩「私、被災地まわってたときに、女の人が明るくて、男の人をひっぱってるって場面をいくつも見てきた」
敬子さん「漁師さんとか、長く家に男の人がいない家は女の人が強くなるよね。男親の役も女親の役も両方しなくちゃいけない。よく島男と唐桑女っていうじゃない？唐桑は船乗りさんが多いから、女の人がきかない、強い」
果歩「でもお二人の旦那さんすごい優しい人よね」
敬子さん「果歩さんがいらして、すごい優しい人だなと思って」
果歩「今日男山さんを訪ねたら、すごく親切に説明してくださったの」
敬子さん「説明はやっぱりパパじゃないと、と思いました。きょう横で聞いていてですごい楽しかったです。あそこに女の人が入れるようになったのは、つい最近のことですし」
果歩「震災後、夫婦関係とか変わりました？家族間の繋がりは強くなった？」
幸子さん「仕事で留守にしてることが多いのでいつも家族を気にしている」
敬子さん「ある人の話では…住む家なくなったので、姑と分かれて住むようになってよかった…という人も」
果歩「大きな家がなくなっちゃったから。それぞれでってなったのね」
幸子さん「うちは主人が頑張っているのが目に見えてわかるから、それが目に見えて子供たちもわかるので、ついて行くという気持ち」
敬子さん「覚悟を決めなきゃいけないというとき、ついていかなきゃいけないか、そうじゃないか。離婚も一杯あったと聞くし」
幸子さん「絆の反対になってしまった人もいる」
敬子さん「でも私たちみたいに商売やっていると、それをやったら社員も困る。ついていこうと。ひたすら私は裏方で、あの人は表で私は裏でがんばる」
幸子さん「私もですね」

～子育てについて～

敬子さん「子育てでいろいろあったから。未だによく自分を責めてしまう。子育てに悩んで。バレエ習うのにずっとついていく（送り迎えなど）のが苦痛で、今思うとなんであんなに嫌だったんだろうって」
幸子さん「全然そんな風に見えなかった」v果歩「苦痛でも我慢してやってたんでしょ。私も息子が海外に行って子育てが終わってみると、なんだ、あっという間のことだったんだって思って」
幸子「いつも何でケンカするんだろう、でもいつのまにか仲直りしてるって…いつ離婚するのかって思ってたって子供に言われた。ずっと一緒だからぶつかることがあって。そう子供に思わせちゃって」
果歩「でも、仲いいところだけを見せて、ぶつかってるところを見せない夫婦もいるけど、私は全部見せちゃってもいいと思う。いいお手本にはならなくても、悪い見本でも知ってるのと知らないのは大違いだから」

サメの心臓のお刺身の美味しさにざわめくみなさん

敬子さん「うちのお母さんはお刺身食べないの。山の方からお嫁に来たからかな。献立を別メニューにするの。でも貝は食べるね」
果歩「えーこんな美味しいところにいるのに」
幸子さん「私もお嫁にくる前は貝ダメだったんですけど、来たらすっごい美味しくて吃驚した。お嫁に来てほやが好きになった」
果歩「前、幸子さんが、もうがんばれないって言ってたでしょ。気持ちが落ち込んで力が湧かないって、あれは今だからということ…？」
幸子さん「気持ちはがんばりたいのに心がついていかない、自分でそんなにがんばんなくていいって気づいてからはよくなったんですけど、身体もついてかない、頭もまわらないし…同じ時期、ブルーになった時期が多かったです」